仙台赤門短期大学 看護学科

宮城県仙台市の看護師養成学校|仙台赤門短期大学 看護学科

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教職員コラムリレー
Akamon Column Relay

第29回特別企画「こんなときだからこそ・・・」(全4回)第1回『オンライン授業でつながる』

大沼 由香

5月に入り新緑の季節に変わろうとしている。

ニュースは新型コロナウイルス感染症の話題一色である。

私も医療介護崩壊の話題に胸を痛め、発症者への個人攻撃等に気持ちも沈みがちに連休を過ごした。

一方で、教員として、学生さんたちの学習進度と授業の質をいかに維持していくかに頭を悩ませ、

これまでやったことのないことに挑戦した1か月でもあった。

本学では、4月当初から、オンライン授業を開始している。

ライブ中継の授業ではなく、録画授業のオンライン配信である。

私は、2年生の在宅看護援助論Ⅰの授業を週2コマ担当しているが、

いかに対面授業に近いと感じてもらえるかを重視して取り組んでいる。

1回目の授業では、プロジェクターでスライドを映しだし、ビデオカメラの前に姿を映して、

学生さんに呼びかけるスタイルで授業をした。

視聴後のリアクションメールで、画面の暗さの指摘と、スクリーンの文字が小さいとスマホで見れない、

という意見が多かったが、「先生の元気の良さに励まされた」「久々に笑った」「熱意が伝わった」

というような感想をもらった。

第2回目は、パワーポイントの画面を、大型モニターに映し、モニターの前に立って指さしながら授業をした。

モニターの前に顔を出すとき、顔が暗く映り、表情が見えないという感想もあったが、

1回目よりかなり見やすくなったというリアクションが多かった。

3回目は、パワーポイント1枚ごとに音声を録音し、パワーポイント動画を作成した。

画像の鮮明さは抜群によくなり、「これが一番見やすい」と好評だった。

しかし、2回目と3回目の録画方法を比較してもらうと、66人中62人が

多少画面は見づらくても教員の姿が見えるほうがよいという回答だった。

4回目以後は、パワーポイントの画面に話している自分の姿も小さく入る動画作成方法を覚えて配信した。

学生さんからの評判は上々で、現在はこの方法を継続している。

対面授業では、学生さんの反応をみて、強調したり、説明したりとフレキシブルに授業展開できるが、

オンライン授業では、スマホで見やすいスライドづくり、休憩の入れ方、画面の切り替え方など、

まったく違う準備が必要になることを学んだ。

学生さんが自宅でオンライン学習するには、計画性と自律が求められる。

これが2か月目に入るということで、そろそろ疲れも出ている頃だと思う。

普段付き合いのないクラスメイトであっても、姿を見れないことで一抹の寂しさを感じているのではないだろうか。

せめて、教員の姿だけでも見てもらって、学生さんに本学に所属していること、つながっていることを感じてほしいと思う。

私自身も、「小さく先生の顔がでてくるのが可愛い」「先生の顔も見れて、画面も見やすく最高」というコメントに

元気をもらっている。

こんな時だからこそ、つながりを感じる授業をこころがけたい。