第94回【非常勤講師特別コラム】第7回「クジラのショー」
皆さんは「クジラのショー」を見たことがありますか。
初めて聞く人は、大海原を優雅に泳ぐあの大きなクジラがイルカのように人を背中に乗せて泳いだり、
ジャンプして輪をくぐったりできるの?なんて思う人もいるのではないでしょうか。
そもそも、皆さんはイルカとクジラの違いを説明することができますか。
和歌山県新宮市の南に位置する太地町は日本における捕鯨発祥の地と言われ、
商業捕鯨が禁止されるまで町民の多くが捕鯨関係の仕事に従事していたと言われています。
クジラと縁が深い太地町には「くじらの博物館」があります。
ここでは、イルカのショーならぬ、クジラのショーが開催されているのです。
クジラのショーを見ることができるのは、日本では唯一ここだけです。
つまりクジラもイルカのように人を背中に乗せて泳いだり、ジャンプして輪をくぐったりすることができるのです。
実は、イルカもクジラも生物学的分類では同じ仲間の「クジラ目」に分類されます。
ですので、クジラもショーができると言われると納得ですよね?
でも「イルカ=クジラなの?」と新しい疑問が生まれます。
当然、イルカとクジラにも違いはあって、それは「体長」です。
体長が4〜5m以下のものはイルカ、4〜5mを超えるものをクジラと呼んでいます。
ただし、研究者や国によってその分類方法も異なるので明確なイルカとクジラの違いは実に曖昧なのです。
そんな曖昧でいいのか?と感じた人もいると思いますが、身の回りには実に多くのことが曖昧な状態で存在しています。
ハッキリさせないとモヤモヤしてしまってストレスと感じる人も多いと思いますが、
曖昧なままにしておいた方がうまくいくこともあるのかもしれません。
クジラのパフォーマンスを見ているとそんな気持ちにもなります。
ぜひ太地町のクジラのショーを見てください。迫力満点ですよ。
[太地町の入り口にあるクジラのモニュメント]