第17回夢
12年前の5月、私はオーストラリアへ旅立ちました。
世界中の人たちと普通にお話してみたい!友達になってみたい!という夢を持って。
最初はI have a pen. くらいの英語しか話せなかった私ですが、
ワーキングホリデーでホームステイをしながら語学学校へ3ヵ月間通い、その後はカフェやレストラン、
お寿司屋さんなどで働きながら、せっかくオーストラリアに来ているのだからと、
普段もできるだけ日本人とは一緒にいないようにし、英語を覚えました。
1,2年経つと、だんだんと自分の言いたいことが言えるようになってきて、嬉しくなったのを覚えています。
移住し4年も経った頃、私はオーストラリアのTangalooma Island Resortで2年間、
リゾートのスタッフとして働き始めました。
業務内容は、アロハシャツを着て♪毎日船で到着するゲストを、大きく手を振って出迎え、
桟橋からレセプションまで島内を説明しながらお連れし、チェックイン後はお部屋までバギーでご案内。
他には、たくさんのアクティビティが島内でできたので、その予約を取り、現場に伝える仕事などをしていました。
Tangalooma Island Resortは、それはそれは楽園のようなところで(笑)その島に住み、
仕事の後はビーチで夕日を見ながら仲間たちとご飯を食べたり、お酒を酌み交わしたり、
仕事も仕事終わりも楽しい日々でした。
いろいろな国から毎日500人ぐらいのゲストが船で訪れ、野生のイルカに餌をあげたりできるリゾートですが、
いらっしゃるお客様もお国柄でキャラクターが全然違います。
私たちは国ごとにグループを分けてご案内するのですが、
例えばインドネシアの人たちはとてもゆっくり準備をして、とてもゆっくり歩きます。
そしてもっとゆっくりなのが、インド人です。
午前中に船で到着し、普通に歩けばレセプション(フロント)に10分位で到着のところ、
インド人は夕方になるのではないかというくらい歩くのが遅いです。(笑)
そこで私は、一緒に働いているインド人のスタッフに「はやくはやく」って何て言うの?
と尋ねたところ、「ちょろちょろ」だよ。と教えてくれました。
ちょろちょろ?! 私は笑いをこらえながらも、これは使える!と次の日から早速使ってみました。
インド人が集合したら、ちょろちょろ~。ちょろちょろ~。と言ってサザエさんのように誘導してみると、
効果てきめん!夕方くらいに着くのが、お昼ぐらいには到着するような速度で歩いてくれるようになりました(笑)
そんな風に楽しく話せるくらいI have a pen. から進歩し、夢がかなったのかな。と感じています。
今でもオーストラリアの友人と会ったり、連絡を取り合っています。
今、学生の皆さんは、夢に向かって頑張っているのがよくわかります。
「看護師になりたい!」と思っただけで素晴らしいと思っていますが、その夢を、頑張って叶えてほしいと思っています。