詩
英詩にまつわる手紙(Y先生・奥様へ)
見ようとする心が無い者には何物も見えないし、聞こうとする心が無い者には何物も聞こえない。それが、毎夏のお便りをいただいておりました、私の姿です。ところがこの度は、どうしたものでしょうか、何気なく詩に目をやりまして、惹きつけられるものがあったのです。メールに書きましたように、作者がどなたであるのか、私には謎に映じたのですが、そもそも詩の内容が不思議に思えたからこそ、作者に興味がいったものであります。奥様の解説を読み、私の不思議感は、「あなた」がどなた、誰を指すのか、不分明であったことによるものであると、了解できました。私の想像した「あなた」は、解説の「あなた」とは、異なっておりましたが、想像を喚起したのは詩の力であると思います。そして「あなた」が何れであるにせよ、詩はとても優しさに満ちておりまして、そのことが私には、素晴らしいことに思えたのであります。不思議な優しさ、生半可に書けることではないと思われ、ついついご主人に問い合せた次第です。どうぞ、失礼はご容赦くださいませ。
作品集を贈って頂いたばかりか、お手紙まで添えてくださいましたこと、厚く御礼申し上げます。詩画集はこれから時間をとって、ゆっくりと拝見させて頂きます。何れ、是非、お会いできればと願っております。
(平成23年8月)