仙台赤門短期大学 看護学科

宮城県仙台市の看護師養成学校|仙台赤門短期大学 看護学科

MENU

学長の部屋

これから看護を学ぶ学生さんへ

高等教育機関としての発展を目指して

仙台赤門短期大学開学記念式典 式辞

 私事ですが小生、前任の大学に勤務していた時分に、3年間ほど当法人が運営する専門学校で、生理学の非常勤講師を務めた経緯があり、坂本理事長とは面識がございました。それが3年前の秋、理事長より突然、久し振りに電話をいただき、会いたいとのこと。今は大学を退職した自分に、何のご用件であろうか、いぶかりながら赴いたところが、看護学の短期大学を設立したいので手伝ってほしいとのお話でありました。小生が当短大に関与することになった、直接の契機であります。
 年が改まり、平成28年の4月に、短大設置準備室が法人内に組織され、小生を含め数名が雇用されて、設置に向けて作業を開始しました。半年後の10月には、文部科学省の大学設置・学校法人審議会あてに設置認可申請書を提出。審査意見が伝達されるたびに、補正申請書・再補正申請書の作成。さらには文科省内でのヒアリング、現地での実地調査。幾重・幾段階の試練を経て、文科大臣から設置が認可されたのは、1年後の平成29年8月29日のことでありました。直後の9月30日には、初めての入試を実施。平成30年4月4日に、第1期生を迎えて入学式を挙行したのですから、今から振り返れば、準備室時代の2年間は激動、もしくは怒涛の日々でありまして、よくもまあ、開学までこぎつけることができたものと、感無量の想いを抱くのは、独り、小生には限らないと想像します。設立に関係し、御協力を頂いた諸兄諸姉には、深甚なる感謝の念を表明するものです。
 当短大は、緑に包まれ静寂な、青葉山・文教キャンパスに位置しています。そして、真新しく広々とした校舎内には、最新の教育設備環境が整備され、熱意にあふれ、実力ある教職員の方々が、学生の教育に当たっております。当短大の卒業生には是非とも、臨床の現場で、実践的中核的な人材として活躍し、地域社会・地方の医療に貢献してほしいと願っています。
 さて、このようにして始まった短大ではありますが、開始より維持の方が、むしろ難しいし、発展させることはさらに困難かもしれないと、危惧しているのが小生の本心です。近年、我が国を代表する歴史的な名門大企業の幾つかが、相次いで社会の信用を失い、破綻し凋落していくニュースを見聞するにつけ、組織の維持発展にとって必須・肝要な要素は何か?当短大が発足した今こそ、組織に集う人々の想いと組織であることの本質を、振り返ってみるべきであると、内省しております。一つは、短大看護学科の内容、教育へのヴィジョンであり、もう一つは、組織としての枠組み、コンプライアンスの担保でありましょう。勿論、両者とも表記し掲揚し実行しているのではありますが、準備から開学まで、余りの性急さではあったゆえ、現状に不備不足の点があるかもしれません。想いを致したうえで、改善実行に努める所存ですが、その折には再び諸兄諸姉のご協力を切に、お願いする次第であります。

(平成30年10月)