
食欲が落ちたり、体がだるくなったりなど、夏の不調を、日本では古くから「あつけ」「暑気あたり」などと呼んできました。
中国由来の東洋医学では、体調を崩す夏の暑さを「暑邪」、湿気を「湿邪」と呼びます。暑邪は発汗を促して体の水分や活力を消耗させ、口の渇き、倦怠感、食欲不振などを生じやすく、湿邪は胃腸の働きを低下させ、体の重だるさやむくみなどを招きやすいとされます。
夏の食養生には、冬瓜、きゅうり、すいか、トマト、緑豆、ハトムギなどが伝統的に用いられてきました。東洋医学では、身体にこもった熱を鎮めたり、余分な水分の排出を助けたりする食材とされています。ただし、体質や体調によって適した食べ物は異なります。
暑い時期には、冷たい水などをこまめに摂ることも大切です。ただ、冷たい飲食物の取り過ぎは、胃腸に負担をかけることがあります。食欲がないときは、長芋と生姜のおかゆ、大葉とミョウガを添えた湯豆腐や温麺など、消化しやすく香りのよい温かい料理も取り入れてみましょう。
ツボのセルフケアとしては、暑邪には首の後ろにある「大椎」や肘の外側にある「曲池」、湿邪には膝の内側にある「陰陵泉」、食欲不振や胃腸の疲れには、膝の下にある「足三里」や、手の人差し指と親指の間にある「合谷」を心地よい程度の強さで5秒ほど押してゆっくり離す動作を数回、1日3セットを目安に繰り返してみましょう。
昔から受け継がれてきた東洋医学の知恵を上手に取り入れながら、十分な水分補給、休息、適切な室温管理を心がけ、暑い夏を健やかにお過ごしください。
斉藤 宗則