COLUMN

第80回『秋の土用の養生法②』

≪秋の土用におすすめのツボ≫
秋の土用は、夏の疲れが胃腸に残りやすく、また冬に備えて体の土台を整える大切な時期です。東洋医学では、この時期に「脾(ひ)」と「胃(い)」の働きを助ける経穴を刺激することが有効とされています。

1. 胃腸の働きを整えるツボ
①足三里(あしさんり)
場所: 膝のお皿の外側から指4本分下にあるくぼみから、さらに指一本分外側にあります。
効果: 全身の「気」を補い、胃腸の働きを整える万能なツボです。消化不良や食欲不振、むくみなどに効果が期待できます。

②三陰交(さんいんこう)
場所: 内くるぶしの一番高いところから、指4本分上にあります。骨の後ろ側のへこんだ部分です。
効果: 婦人科系の不調だけでなく、冷えやむくみの改善、胃腸の調子を整える効果もあります。脾、肝、腎の三つの経絡が交わる重要なツボです。

2. 精神を安定させるツボ
③太衝(たいしょう)
場所: 足の第1趾(母趾)と第2趾の骨が合流する手前のくぼみです。
効果: ストレスやイライラを鎮め、気の巡りをスムーズにする働きがあります。この時期に精神的な安定を図ることで、胃腸の働きも改善されます。

≪ツボの刺激方法≫
①押す: 気持ちいいと感じる程度の力で、5秒かけてゆっくり押し、5秒かけてゆっくり離すを3〜5回繰り返しましょう。
②温める: お灸や温かいカイロ、温めたタオルなどでツボを温めるのも効果的です。

これらのツボを刺激することで、夏の疲れを癒し、冬の寒さに負けない体づくりに繋がります。毎日のセルフケアに取り入れてみてください。

川嶋 睦子