鍼灸あん摩マッサージ指圧師になるには、国家試験だけではなく、”技術”の獲得も必要です。でもその技術って、どうやって学び、どうやって評価されるのでしょう?
上海中医薬大学のXuらの研究では、3次元モーショントラッキングを用いて鍼を操作する際の安定性を分析し、鍼灸教師20名と学生20名の技術を比較しました。その結果、教師と学生は時間的安定性では同様でしたが、教師の方が空間制御において安定していることが判明しました。
別の研究では、30名の教師と60名の学生を対象に、鍼を刺す動きについて動画解析技術を用いて定量分析しました。その結果、教師群は指の関節の角度変化がより大きく、より良い空間制御を示すことが明らかになりました。
このように、見えにくかった”手の技”がデータで見えるようになると、学ぶ方も教える方もより的確に成長を感じられるようになります。未来の鍼灸師は、感覚と科学の両方を身につけた「ハイブリッドな匠」になっていくのでしょうか?私はそんな分野に興味を持って研究活動に取り組んでいます。