寝ようと思ってもなかなか寝つけない。そんな夜は、体の”スイッチ”がうまく切り替わっていないのかもしれません。
不眠症患者を対象とした研究では、“神門”というツボへの鍼刺激により心拍数が有意に減少し、心拍変動の総パワーが刺激直後に有意に増加することが報告されています。さらに、心臓の活動を観察する「心拍変動(HRV)」に関する研究をまとめてみると、健康な人では正規化低周波数(LF norm)を、健康でない人では低周波数(LF)と低周波数/高周波数比(LF/HF ratio)を鍼治療によって減少させることが明らかになりました。
72名の原発性不眠症患者を対象とした無作為化対照試験では、鍼治療群がプラセボ鍼治療群と比較して、不眠重症度指数(ISI)、睡眠効率(SE)、総睡眠時間(TST)において有意な改善を示しました。
このように、鍼は薬を使わずに”眠れる体”を作るサポートができる可能性があります。勉強やスマホの影響で眠れないことが多い高校生にも、心身の整え方として鍼灸あん摩マッサージを選択肢として取り入れて欲しいです。