仙台赤門短期大学 看護学科

宮城県仙台市の看護師養成学校|仙台赤門短期大学 看護学科

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手紙

М先生へ

 このたびは艮陵同窓会、青森支部会にお招き頂き、誠に有難うございました。出張が決まりまして、先ず考えた事は、自分の研究のことを話しても仕方がないのではないか、とのことでした。自分が従事しているのは、当該分野の研究者しか面白がってはいない、余りに専門的な、ということは、未だ大局には程遠いレヴェルの、細かい研究でしかありません。かといって、専門外の文化・教養あふれる話を、私が出来るものでも、勿論、ありません。結局、専門ではないけれど、自分としては相当に興味があって、やや趣味的に、研究まがいなこともしている、進化関連の話題となってしまいました。こちらも、深まってはいないので、ストーリーが皮相なのは、致し方のないことですが。
 とはいえ、先生から頂きましたお葉書によりますと先生には、小学生の時分から、大学初年時のことまでも、思いだして頂けた、とのことです。さらには、先生の学問への志望動機のことまで書かれてあります。私にとっては、素晴らしいおほめの言葉のように、響きました。何故と言いますに、どんなにお歳がいかれても、学問、研究、そういった知的な事柄に示される先生の、まるで青年の如き好奇心が感じられたからです。そういう知的関心を、自分もいつまでも保っていたいものだと、念願しております。
 旅行の直前になり、事務局の先生からの連絡で、М先生も出席予定であることを知りました。そこで、最後の2枚のスライド、恩師である石田教授のお写真と、艮陵同窓生の文章について、を急遽、作成し挿入したものです。石田先生は学問の恩師でありますが、実は私にとってはもう一つの意味があり、自分の父と同年のお生まれなのです。それで、自分の父(や母もですが)の時代は、どのようなものであったのかが、常に気にかかっております。先生が、石田先生の同級生であられることは、事前に分かりましたので、最後のスライドは私からの、石田先生をはじめとする、先生や、父の年代の方々への、メッセージみたいな意味も込めたつもりでありました。
 仙台に帰りましてから、石田先生の随筆集、数えてみました。1巻に100弱の随筆、5巻、出ていますから、約500の文章です。私は現在、たったの50、石田先生の力量の10分の1。懇親会の席上、先生は既にして、1000を超える随筆を書かれたと、伺いました。まさに、驚倒すべき活動力であると、感じいった次第です。お弟子さん達は、まとめてくれないのでしょうか?散逸するのは、もったいないですので。
 石田先生は、「ただもの」ではありませんでしたが、先生はそれどころではありませんでした。どうも、石田先生を凌いでおられるのではないか、との印象すら、抱きました。ともあれ、この度の青森行きで、先生のお目にかかることができたのが、一番の嬉しい出来事でありました。誠に、ありがとうございました。

(平成24年10月)