今年の5月から学生になりました。
仕事をしながら通える通信制学校の社会福祉士養成課程の学生です。
人と社会資源等を繋ぐ役割を担う社会福祉士への関心は、7、8年前からありましたが、仕事とのタイミングが合わず、
ようやく念願かなって今年から学校に入学することが出来ました。
毎月出題されるレポート課題に、ヒイヒイ言いながらなんとか期限内に提出。
そして、現在臨地実習中です。
7月末まで仙台赤門短大3年生の実習指導を行っていましたが、現在は私自身が社会福祉過程の実習生。
毎朝、リュックサックに実習ファイルとテキスト、お昼ご飯を入れて、
8時半からの実習に間に合うように実習先に向かっています。
もちろん毎朝、日々の記録(実習日誌)も指導者さんに提出してコメントを頂いています。
看護学生の皆さんと全く変わらない同じ実習生です。
ただ、社会福祉士の実習は、看護の実習のようにグループで行くのではなく、1人で行きます。
実習先の職員の皆さんには、学校から個人表(履歴書)が提出されており、
看護教員であるという私の素性は知られている為、日々緊張しています。
悪いことは出来ない(笑)!
社会福祉士の実習先の種類は様々で、老人ホームから障害者施設、
病院まで社会福祉士が活躍している施設であればどこでも実習先になります。
私の実習先は、学校からの紹介で知的障害者の生活介護施設(知的障害者に対し、入浴・排泄・食事などの身体介助、
創作的活動や生産活動の機会の提供をするとともに、身体機能や生活能力の向上の為に必要な援助を行う日中活動の場)です。
こちらで全23日間の実習をさせて頂きます。
身体障害、精神障害、知的障害の3障害のうち、身体障害者、精神障害者の方との関わりは今まで看護師として多くありましたが、
実は、恥ずかしながら知的障害者については、今回の実習で介入させて頂くまで、全くと言っていいほど何も知りませんでした。
知識としては、学生の時に、脳性麻痺の患児について学んだ程度。
臨床現場にいた際にも数名の方と接した程度で、医療処置を行って終了。
今回のように、生活場面に介入して見るのも聞くのも初めて。
初日から施設長さんのお話に愕然としてしまいました。
「知的障害者の場合、知的障害がゆえに自分から訴えることが難しいのです。
私は、豊かな生活とは選択肢があることだと思っています。
けれども、彼らには選ぶという事すら分かっていないことがあります。
別れにしてもそうです。
ここには、沢山の実習生やボランティアの方がいらっしゃいますが、皆さんは期間が終了すると、利用者さんとお別れしますよね。
でも、彼らには自分から別れるということも出来ないのです」と。
そして、いくつか施設長さんから実習課題が出されたのですが、
その一つが、「利用者さん2名のストレングス(強み)を10個見つけて下さい」というもの。
知的障害者と言っても、軽度から重度まで様々な方がいらっしゃいますが、ここは重度の方がメインの施設。
コミュニケーションも「アー」「ウー」のみで有意味語が無い方も多いです。
しかし、何故か支援員さん達は上手くコミュニケーションを取っているのです。
怒っているとか笑っているとかも分かっている。
「何故分かるのですか?」と尋ねると、声の出し方や、手の動かし方などで分かると。
好き嫌いも分かると(凄いアセスメント力!)。
その為、支援員さんは作業をする際、必ずいくつか選択肢を提示して、どれが良いか利用者さんに選んでもらうようにしているのです。
私は、生活介護の場ということで、きっと一人で何かを行う事が困難な為、
日常生活全般に対して援助を提供するのだろうと勝手に思っていたのですが、そうではなかった。
利用者さんの中には四肢麻痺の方もおり、特殊な車いすで生活している方も多くいます。
それでも、何も出来ないのではなく、その車いすに机をはめ込み、机に荷物を置く事で、支援員さんと一緒に荷物を運ぶことが出来るのです。
そのような視点で関わると、色々なことが見えてきます。
出来ないのではなく、どの様に工夫すれば出来るのか、環境や方法を変えることで出来る事が沢山出てきます。
施設長さんからの課題「利用者さんのストレングスを見つける」は支援員さん達に色々教えて頂きクリアすることが出来ました。
今度は、「知的障害者福祉においてのニーズとデマンドの違い」について。
さて、どうやって知的障害者の方からこの違いを知ろうか…。
まだまだ、実習は続きます。
看護学生の皆さんを見ていると、実習前と、実習後では顔つきが変わります(凛々しくなります)。
私も、社会福祉士の実習を通して沢山成長できるといいな!!
その前に、実習中でも学校のレポート課題の提出日が迫ってきている!
一方、短大ではコラムの順番が来ているので書かないと!
学生のレポートも見なければ!
今年の私の夏は、こんな感じです。
学生も大変だ…。
こちらの絵は、実習施設の利用者さんが描かれたものです。
素敵ですよね!!
(向かって左側は塗り絵です)
佐藤 文枝