第9回仙台赤門短期大学で授業や見学実習を担当させていただいて
皆様、はじめまして。東北大学大学院歯学研究科口腔器官解剖学分野に所属している市川博之と申します。私は10年前に岡山から仙台に転任してまいりました。仙台を訪れたのは、ほとんど初めてでしたが思ったよりも気候が温暖で住みやすい街という印象を持ちました。当初は単身で参りましたが一人暮らしは20数年ぶりで、知り合いも全くと言っていいほどおらず、寂しさのあまり家族に泣きついて1か月余りで家内と子供に仙台へ引っ越してもらいました。その翌年の4月から口腔器官構造学分野OBの方のご紹介で赤門鍼灸柔整専門学校の非常勤講師として「解剖学」の講義の分担をさせていただくことになりました。それが赤門宏志学院にお世話になるきっかけでした。赤門鍼灸柔整専門学校では教職員や学生の皆様にとても暖かく接していただき、授業に参るのが楽しみになるほどでした。そして、ご縁もあって昨年の4月からは、開学した仙台赤門短期大学 看護学科の1年生の科目「人体の構造と機能」の一部を担当させていただいています。そして短期大学でも教職員の皆様から親切にしていただき大変感謝しています。(このやさしい雰囲気は赤門の特徴なのでしょうか?)
仙台赤門短期大学では人の体の形や働きに関する授業とともに解剖見学実習も担当させていただいています。現在、科学の進歩にともない教育の方法もさまざまに変化しています。例えば多くの授業でパソコンによる画像が用いられています。しかし学生にとっては2次元の図や写真から3次元の立体的な構造や臓器の位置関係を理解することは時に難しく、「解剖学」が苦手という方も少なくありません。しかし、臓器の形態や機能はその後に勉強する病理学や臨床系の学問の礎です。「人体の構造と機能」の授業や解剖見学実習によって、様々な疾患の発症の原因や症状、或いは治療法についての理解も深まります。大変有難いことに、仙台赤門短期大学の学生さん方には開学当初の1年生から解剖見学実習を受けていただいています。この経験がこれからの勉学に必ず役に立つものと信じています。
仙台赤門短期大学の学生さん方の特徴は「明るく積極的」です。授業の際にも大変興味を持って話を聞いていただき、毎回のように口頭や出席カードで質問を頂戴しています(十分にお答えできたかどうか、わからない部分もありますが)。解剖見学実習でも、少数派の男子学生を含め多くの学生さんからの質問が尽きることなく、もう少し勉強したかったというお言葉もいただきました。「昨年度同様、今年度も、とても真面目に頑張って興味を持って見学していただけた。」という印象を持ちました。これも一重に解剖見学実習にご尽力いただいた教職員の方々のおかげと感謝しております。今後も、学生さん方が様々な知識や理解を深め、将来看護師として活躍されるのを心待ちにしています。
最後になりましたが、仙台赤門短期大学の教職員の方々や学生さん方と今後も末長いお付き合いをよろしくお願いいたします。