第146回【 自己研鑽 】
教員免許を取得し10年以上も経つが、ここ最近実感しているのは学習指導案作成にあたり特に学生観(生徒観)を捉えることが難しくなったということである。
現在の日本が抱える課題は、少子高齢社会による生産年齢人口の減少・労働人口の減少、介護問題、待機児童問題、貧困問題など子供を取り巻く社会問題が複雑化している。教育界においても、教育格差やいじめ・不登校、発達障害、教員の人材不足、先端技術の高度化や社会構造の変化、子供たちの多様化など、学校が直面する課題は様々である。そのような現状において教員に求められているのは、『学校教育を取り巻く環境の変化を前向きに受け止めること、そして、教職生涯を通じて探求心を持ちつつ主体的に学び続けること。』である。
アップデートしなければ教育界の変化に遅れをとるという危機感から、私は重い腰を上げる決意をした。教員養成時代の色々なこと(何重にも積み重なった課題の山、眠れない日々、教育実習では緊張のあまり自分の名前を間違えた)が思い出され憂鬱になったが、過去を振り切り教育のスペシャリストの門を叩いたのである・・・。
この先、『学び直し』により私の現在抱える課題解決への道筋をつけることができたのであるが後の話はさておき、今回は『主体的に学び続けること』つまり自己研鑽についてお伝えしたい。
『看護師は常に自己研鑽が必要』と言われる。
看護師は専門職業人であり、保健・医療・福祉を取り巻く社会情勢の変化に迅速に対応する能力が求められている。看護スキルや知識を常にアップデートし看護師として成長すること、そして医療の進化や患者さんの多様なニーズに応えることが必要だからである。
現在の医療現場はどんどん変化しており、医師の働き方改革タスク・シフト/シェアの推進により看護師をはじめ、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学士、救急救命士が実施可能な医行為(相対的医行為)の幅が広がっている。
看護師が行える医行為について述べると、看護師は「診療の補助」の範囲内で、医師の手順書を基に行える特定行為が定められている(医師の指示のもと行い、看護師が独断で行うことはできない)。特定行為研修を修了した看護師、また、NP教育課程を修了した診療看護師が特定行為を行える。
今では多くの医療機関で専門看護師や認定看護師を耳にしたり目にしたりするようになったが、このタスク・シフト/シェア導入により、今後特定行為研修を修了した看護師や診療看護師も医療機関で見かける機会が増えるだろう。
このように、社会の変化、医療現場の変化に伴い、看護師に求められるものも変化していく。看護師には変化する社会やニーズに合わせ主体的に学び続ける姿勢が大切である。
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看護師を目指す学生の皆さんには、「常に自己研鑽を忘れず、自分をアップデートしていく姿勢」を持ち続けて欲しいと思います。
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