第133回質の高い教育をみんなに
井上 由紀子
「持続可能な開発のための2030アジェンダ」として,SDGsが国連総会で採択されたのは2015年のことです。SDGsには17の目標が掲げられていますが,その中の目標4は「質の高い教育をみんなに」となっています。なぜ,“みんなに”と書かれているのでしょう?
私たちは日本国民で小中学校に通うのは義務教育です。幼少の頃の私は,学校に行くのは当然と,何の疑いももっていませんでした。ですので皆さんも,世界のどこでも日本と同じように,義務教育が保証されているものと思っていませんか?しかし,私も大人になって,子どもの看護を学ぶなかで,紛争地域の子どもたちが武装している報道に接することや,そのような国の子ども達の支援をしている方の話を聞く機会のなかで,学校に通えない,教育を受けていないことが,武器をもって戦うことが当たり前,生きていくためには普通のこと,という判断につながっていることを理解しました。この時に改めて自分の意思で好きなことができる環境にいることは,とても幸せなことであると実感したのです。
皆さんは将来,「やってみたい」「面白そう」と思えることはありますか?そう思えるものがあるのは,これまでに“教育”を受けたことの結果として,物事を広い視野で考えられるからだと思います。学校の勉強が嫌いでも,自分が「やってみたい!」と思うことであれば,頑張れるはずです。「やってみたい」と思えるものがあること,挑戦できるチャンスがあることは幸せなことです。そのチャンスを活かして,夢を叶えてください。
SDGs 目標4のターゲットの詳細はこちらです。