第64回〇〇の秋-ワタシの食養生-
日に日に秋が深まり、遠くの山々の頂が白くなってきました。
「〇〇の秋」です。
〇〇には、「読書」、「スポーツ」、「芸術」など、皆さんはどのような秋を深めていますか?
ワタシはもちろん「食欲の秋」です。
「食養生」は先人の知恵
食養生という言葉をご存じでしょうか?
消化や栄養のことなどを考えて、食事によく気をつけること。
精選版 日本国語大辞典 より
「しょくようじょう」と読みます。
古くは、1600年代の浮世草紙に記述されています。
健康を維持するために先人たちから伝えられてきた食に関する知恵とでもいいましょうか。
- できるだけ添加物をとらないこと
- 食物繊維豊富なメニューを選ぶこと
- 塩分は控えめに
加齢とともに特に注意することは、
- 脂肪分も控えめに
- 良質のたんぱく質をとること
- カルシウムをしっかりとること
などが現代にも通じる食養生です。
自分で料理をするときも、加工食品の利用を控えてできるだけ素材のままでいただくような工夫も必要です。
看護師になりたての20代の頃は、玄米を圧力鍋で炊いたり、調味料もお取り寄せをしたりと、
食事に凝っていました。
仕事が忙しくなり、外食の機会も増えて、自分でつくるのは毎日のお弁当くらいになりましたので、
今は外食時の食養生を考えてメニューを選んでいます。
外食での食養生
メニュー選びの理想は「おいしいお魚メインの定食」です。
お店選びも真剣にしないとなかなか自分に合う味とは巡り合えないものです。
今は、「ごはん屋さん」も開店と閉店が目まぐるしく、
昔馴染みの定食屋さんがいつの間にか店をたたんでいた、なんてこともよくあります。
「ごはん屋さん」のチェーン店も健康によいメニューをそろえていますが、
自分のカラダに合うメニューにはなかなか出会う機会に恵まれません。
「カラダに合う」とは、ただ食欲を満たして満腹感を得るだけではなく、カラダが喜ぶ食事です。
ひと口目からカラダが喜んでいる食事を、経験したことはありますか?
カラダが喜ぶ食事
食事は一日数度、生きている限り毎日続くものです。
自分のカラダを造るものですから大事にしたいですね。
コロナウィルスによる騒動が起きる2年前のお話になります。
グルメの友人に連れていってもらった町はずれの「ごはん屋さん」が、久々の大当たりのお店でした。
初老のご夫婦お二人で、お店をやっていらっしゃる昔ながらの町のごはん屋さんです。
勧められたメニューは、「セットメニュー」でした。
- お刺身 (エビ・カツオ・マグロ・ホタテ・つぶ貝)
- 天ぷら (牡蠣・キス・エビ・カニの身・しいたけ・玉ねぎ・大葉)
- 煮こごり (あなご)
- キャベツサラダ
- お新香
- ごはん
- なめことみょうがの味噌汁
これで、しめて1500円です。信じられない…。
決して奇をてらったメニューではないのですが、滋味あふれるお料理なのです。
お刺身は、お皿の上でピカピカに光っているし、
天ぷらは、外側サクサク、中ふわふわでアツアツ!
サラダのキャベツも細い千切りで、ゴマドレッシングがかけてある。
そして、絶品は「煮こごり」!(^^)!
アツアツの白いご飯にのせると、さっととけながらごはんに沁みていき、
汁の色のついたごはんを口に放り込んではふはふ言いながら味わう幸せ♡
少し甘辛い、魚のだしが効いた煮こごりは、ごはんが進みました。
全てが丁寧に調理され、素材の良さを前面に引き出されているお料理で、会話も忘れて夢中になっていただきました。
お会計をする頃には、カラダ全体が温まり、代謝が亢進しています。
ココロも軽やかに、元気が湧いてきて、ご機嫌で帰宅しました。
これが「食養生」カラダが喜ぶものを食するということなのだと知りました。
お腹を満たすだけではなく、カラダを喜ばす食事を心がけたいものです。
さて、今日のごはんは、何をいただきましょうか。