仙台赤門短期大学 看護学科

宮城県仙台市の看護師養成学校|仙台赤門短期大学 看護学科

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教職員コラムリレー
Akamon Column Relay

第41回東洋医学特別コラム最終回「『触れる』ということ」(全3回)

本学非常勤講師 宍戸 新一郎

スウェーデンにはタクティールケアというマッサージ技法がある。

これは認知症の高齢者の徘徊や興奮状態など、周辺症状を抑えるのに有効なマッサージとして注目されている。

震災の前年に千葉にある舞浜クラブにて実際にその様子を見学させていただいた。

タクティールケアでは手と背中をゆっくりと優しくなでるようなマッサージを行う。

タクティールケアを行うことで、夜間に興奮して動き出す方が落ち着くようになったり、

施術中に涙を流す方がいらっしゃったりするということである。

職員の方のお話では、脳機能の低下によって自分の手足の感覚の鋭敏さが鈍くなったり、心の安定を失ったりしており、

タクティールケアによって感覚を取り戻すことができるようになるとのことであった。

またスウェーデンのマティスン・アンソフィらの研究によると、

新生児は乳を吸っている時は手の動きを止めているが、暫くすると吸うのをやめ、

手を動かして乳房をマッサージするように動かすという。

そのマッサージによって母親のオキシトシンが分泌され、子宮を元通りにすると同時に子どもへの愛情を深め、

絆を強くするという。

 

皮膚感覚から母子相互に幸福感を生み出しているといえるだろう。

マッサージなど「触れる」研究はこれからさらにすすみ、作用が解明されていくことだろう。

でも私たちは、「触れる」・「触れられる」ことの効果はすでに身近で体感していることと思う。

感染症の影響で不安感やイライラが募り、そして触れ合う機会が減っている今、皆さんの手がもつ力を信じ、

相手の背中や肩など、対面しないでも触れられるところを優しくゆっくりなでてみてほしい。

きっと皆さんの手は相手に癒しをもたらしてくれるでしょう。