仙台赤門短期大学 看護学科

宮城県仙台市の看護師養成学校|仙台赤門短期大学 看護学科

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教職員コラムリレー
Akamon Column Relay

第32回特別企画「こんなときだからこそ・・・」(最終回)『その名は「ガビチョウ」』

学科長 佐藤 喜根子

新型コロナウィルス対策で急遽小学1年生の孫を預かることになった。

私が子育てをしながら働いていた時は、両親が時々手伝ってくれていた。

だから当然と思いながら休校開始の翌日(4月13日)から預かり、大人がそれぞれ時間を融通しあっていた。

しかし腕白な男の子にとっては、1日中家の中にいることは拷問に近い!

幸いにも近くに東北で一番広いといわれる森林公園がある。

おおきな池があり、冬は白鳥などの渡り鳥が飛来する素晴らしい公園でもある。

しかし私一人では勇気が必要な散歩コースであった。

理由は整備されているとはいえ鬱蒼と茂った木々は原生林さながら、

そしてそこはかつて大流行したコレラで亡くなった人の火葬場だったと聞かされていたからである。

叢塚(くさむらづか)や「虎烈刺(コレラ)焼場供養塔」がある。

明治15年市内で発生したコレラは患者が930人、そのうち410人が亡くなったというから

当時の衛生・医療状況が推察できよう。

腕白っ子を伴えば、彼の不満解消・私の運動不足解消で一挙両得と出かけた。

叢塚に手を合わせ(そうしないといけない気分になる)、山中へ入るとピューピューヒョイヒーヒョイヒーケチョケチョという、

きれいな澄んだ声高の鳴き声が聞こえてきた。

目を凝らして見れども見えず、しかし何とも耳に残る鳴き声であった。

帰って図鑑で調べてみると、それは「画眉鳥(ガビチョウ)」。

七色の美しい鳴き声を持つが、「侵略的外来種100選」にリストアップされており、どうも歓迎されがたい鳥の様であった。

だが、私にとっては心が洗われるようなさえずりに聞こえ、しばし聞き入っていました。

4月13日から5月24日まで、離れて暮らす孫の成長を身近で感じる機会を得、一人で入れない素晴らしい自然公園で、

改めて「感染症」の怖さを知り、現代の新型コロナウィルス感染予防の重要性を再認識させられているところです。